変化の起点は2008年のリーマンショックから
三光製作では、リーマンショック後、今まで取引していた企業からの発注が激減したことをきっかけに、下請け体質からの脱却を目指した。これまでの「量産/中品種/少顧客」から「1個/多品種/多顧客・多分野」へと舵を切った。
製造業のまち浜松では、誠実に事業をしていれば、それなりに安定する。『社会・顧客・社員にとっての「無くてはならない会社」となる』という同社の理念を追求する形で、「めっき工場はこうでなくてはならない」という固定観念を自ら破ることで数々の改革を推進した。
独自ITシステム x ロボット x 営業のDX推進
山岸氏は、IT技術やロボットを社内で導入することで、自社の生産技術システムや工場管理を一新する。このような、正解のない取り組みに向き合い続けてきた。結果が見えてくるまでに時間がかかるものもあるという。何かを変えるときには、その目的について社員と時間軸を含む景色合わせをしてきた。
取り組みの1つにデジタルマーケティングがある。コロナ禍では訪問営業や展示会の出展を断念せざるを得なかった。マーケティングオートメーション「Kairos3」を導入しながらデジタルマーケティングを推進することで、自社の知名度が上がり、紹介中心の顧客獲得からの脱却に成功する。
リモートワークに加えて女性が活躍する「めっき屋」へ
三光製作では多くの女性が働いている。下請けからの脱却を目指す新規顧客獲得のためのデジタルマーケティングやインサイドセールスなどの新しい取り組みの中心は、ほとんどが女性。コロナ禍ではリモートワークにも対応してきた。