[カイロスマーケティング株式会社(以下、「KM」)]三菱重工パワーインダストリー株式会社さまの事業についてお聞かせください。
当社は、ボイラーとタービンを組み合わせた中小型「汽力設備」を中心に、事業を展開しています。
当社が手掛ける汽力設備は製造工場の電力や熱を供給するもので、産業用汽力設備として国内製造業の根幹を長年にわたって支えています。
製鉄業、非鉄金属業、製紙業、窯業、セメント業、化学工業、石油化学業など、日本のものづくりを支える重厚長大の大手メーカーを主な顧客としています。
さらに近年では、地産地消エネルギー源として注目されるバイオマスや地熱を用いた中小型汽力設備にも注力しています。
これら汽力設備の新規設置と納入済設備のアフターサービスの両方を手掛けています。
デジタルマーケティングを担当する末松さま
[KM] MAツールご導入前の状況を教えてください。
私たちは長年、「人的リソース」で営業活動を展開してきました。お客さまを訪問し、お客さまと顔を合わせて商談する営業が基本でした。
しかし、営業担当者がすべてのお客さまを等しく訪問することは物理的に不可能で、商談の相手が頻繁にお付き合いのあるご担当者になってしまうことは避けようがありませんでした。意思決定に関わる多様な部署との接点を構築しきれないこともあり、伝えたい情報、伝えるべき情報の届け先が限られてしまうという現実的な課題がありました。
[KM] デジタルマーケティングに取り組み始めた経緯を教えてください。
当社の事業規模拡大のためには、訪問を中心とした営業活動に加えて、何らかの打ち手が必要と感じていました。そんなとき、デジタルを活用したマーケティングの成功事例を知りました。
私たちのように製品や顧客が限られている製造業でも成果が出るのか、最初は疑問を抱いていました。しかし、デジタルマーケティングの専門会社から「むしろ御社のような業態にこそ、顧客一社一社に合わせたマーケティング・営業活動が効果的だ」と助言をもらい、多くのお客さまへ一度に情報を届けられるデジタルの可能性を感じました。
最終的には、お客さま一人ひとりに最適な方法で情報提供ができる状態を目指し、デジタルマーケティングに取り組むことを決めました。
[KM] MAツールの中で「Kairos3 Marketing」を選んだ決め手は何でしたか?
当社のお客さまは国内企業が中心のため、海外展開を前提としたツールよりも、日本国内の利用に適したツールが合っているだろうと考えました。
そのうえで、私たちが取り組みたい施策を実行するために必要な機能が揃っているかを比較検討しました。特に重視したのは、見込み客の登録機能、メルマガ配信と反応の可視化、Webサイト上の閲覧履歴の取得、セミナー開催、そしてシナリオ配信の機能です。
「Kairos3 Marketing」は、私たちのやりたいことができる機能が揃っていて、費用対効果が非常に高いと判断し、導入を決めました。
「Kairos3 Marketing」ご導入前のご状況や決め手について伺いました
[KM]「Kairos3 Marketing」の具体的な活用方法について教えてください。
導入して最初に実施したことは、展示会で頂いた名刺と、社内に蓄積された名刺の取り込みです。現在はメルマガやセミナー、Web上の行動データの収集に活用しています。
メルマガは、2週間に1回の頻度で配信しています。内容は、当社が運営する「POWER of Solution」というWebサイトに掲載した、新しい記事や資料のお知らせが中心です。定期的なメルマガとは別に、セミナーのご案内もお届けしています。
[KM] セミナーの取り組みについても教えてください。
現在は2か月に1回の頻度で、産業用汽力設備の点検や保守に関する情報、水素技術、バイオマスなどを題材にしたセミナーを開催しています。
「Kairos3 Marketing」とZoomの連携機能により、セミナーの申し込みから出欠結果の自動取得、アンケートの回答結果までをまとめて管理でき、セミナー運営業務を仕組み化できました。
[KM] 顧客行動データはどのように活用しているのですか?
お客さまごとに、メールの反応や資料のダウンロード履歴、どの記事をどのくらい読んでいるかを確認し、今後の記事作りに活用しています。
行動を分析すると、毎回メルマガを開いてくださるお客さまがいることや、特にクリックされやすい記事の傾向が見えてきました。反応の良かった記事を参考に、新しい記事を企画しています。
データを活用したコンテンツ改善のサイクルについてお聞きしました
[KM]「Kairos3 Marketing」を導入後、どのような成果がありましたか?
最近では、定期的に配信しているメルマガの開封率が45%ほど、クリック率は30%ほどになっています。メルマガをきっかけに、資料のダウンロード件数やセミナーへの参加者数も着実に増えてきました。セミナーによっては、300名近い申し込みが集まることもあります。
「Kairos3 Marketing」の活用と併せて、SEO対策にも力を入れた結果、検索サイト経由でのアクセス数が前年の約4.6倍にまで増えました。
[KM] 多くのお客さまへ貴社の発信する情報が届いているのですね!
はい。こうした成果は、定期的に社内へ共有しています。デジタルを活用した取り組みが、事業の将来的な成長につながると伝え続けたことで、少しずつ社内の理解や協力も得られるようになってきたと感じています。
最近では、営業担当者がお客さまを訪問した際に、メルマガやセミナーの内容を紹介する場面も増えているようです。私たちの取り組みが、現場での信頼関係づくりにも役立っているのはとても嬉しいですね。
[KM] 今後、どのような展開を考えていますか?
今後は、コンテンツに「メリハリ」をつけたいと考えています。
たとえば「脱炭素化」のような、どの業界でも関心の高いテーマを扱う一方で、特定の業界に向けた設備保守の知識など、専門性が高いニッチな技術情報も積極的に発信していく予定です。「広さ」と「深さ」を兼ね備えた情報発信を通じて、さまざまなお客さまと継続的に接点を持つことを目指しています。
専門性の高い情報を確実にお届けするために、「Kairos3 Marketing」に蓄積されている顧客情報の分類にも着手し、業界別や顧客ごとの動きを追えるよう整備したいと考えています。
取材のご協力、ありがとうございました!
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