[「カイロスマーケティング株式会社」(以下、「KM」)]三光製作株式会社さまの事業についてお聞かせください。
三光製作株式会社は、昭和28年創業の静岡県浜松市に本社をおく、「めっき」を中心とした表面処理メーカーです。めっき技術は、装飾性、防錆性、耐摩耗性を製品に付与し、製品の付加価値を高める加工技術として重要な役割を果たしています。
当社の強みは、営業品目の多さです。めっきの種類は、亜鉛めっき、ニッケルクロムめっき、樹脂めっき、銅めっき他各種ご提供しております。材質の種類も、ステンレス、真鍮、アルミなど、あらゆる材質に対応しています。
量産品から試作品まで、多様化・高度化するニーズに応える「ざ・めっき」をコンセプトとし、新たな付加価値創造へ邁進しております。
[KM]マーケティングオートメーション(MAツール)導入前の状況を教えてください。
リーマンショック後、今まで取引していた企業からの発注が激減したことをきっかけに、下請け体質から脱却し自立した企業を目指しました。Webサイトを再構築してコンテンツを公開したり、外部のWebサイトへ当社サービスの掲載を依頼したり、展示会に出展したりして、新規のお客さまとつながる機会を増やす施策をおこないました。
施策の結果、様々な業界・地域のお客さまからお問い合わせをいただくようになりました。現場も巻き込みながら対応して、お客さまからの多種多様なご要望にお応えできるようになっていきました。試行錯誤の末に実現した各種の表面処理技術は、当社の強みとして蓄積されていきました。
強みが増えてきたことで、上流のメーカーや、今まで取引がなかった業種にもご提案できるようになり、浜松地区だけでなく、全国のお客さまへ提案していく営業スタイルに変えていきたいと考えるようになりました。
[KM]貴社の強みが増え、提案先の拡大につながったのですね。
営業範囲を広げたいと考えていた時に、ある講演に参加してMAツール「Kairos3」のことを知りました。
MAツールはお客さまのWeb閲覧履歴を記録します。MAツールを活用すると、ご覧いただいているWebページからお客さまのご要望を推測することができます。例えば、お客さまが求める素材はステンレスなのか、アルミなのか、めっきで表面を黒色にしたいのならどのような理由で黒色にしたいのか、などです。
お客さまのご要望を推測できると、ヒアリングする前にお客さまに適した提案資料を用意することができ、営業のリードタイムの短縮につながります。営業の人数を増やさなくても、今までより広い業種、広い地域のお客さまにも対応ができると思いました。
[KM]なぜ「Kairos3」を選んでいただいたのでしょうか。
見込みのお客さまは全国にいらっしゃいます。しかし、少ない営業リソースで各地を訪問することは現実的ではありません。営業の初期段階で、全国にいらっしゃる見込みのお客さまと継続して接触するにはメルマガが有効です。メルマガ担当者をおき、メルマガを始めたいと考えていました。
「Kairos3」のデモを見て、経験がなくてもメルマガ配信をすぐに実行できそうだと思いました。例えば、メルマガ本文はHTMLメールのテンプレートが用意されているので、テンプレートをもとに作成できます。メール内に宛名や、担当営業名を挿入したいときはプルダウンメニューから選択すれば挿入できます。配信日時の設定はカレンダーで日付を選び、時間を設定するだけです。
[KM]「Kairos3」SFAオプションも導入いただいていますね。
以前の営業プロセスでは、お問い合わせをいただいたら担当営業がつき、その担当者が最後まで一人で対応していました。そのため対応は属人化し、営業ノウハウは個人のみに蓄積され、他のメンバーに共有されていませんでした。
また、一案件一担当の体制だと、担当者の状況によっては初動対応が遅れるおそれがあります。お客さまはお問い合わせいただいた時が一番ホットな状態なので、すぐに対応しなければなりません。
営業の属人化解消と対応の迅速化のために、初動対応をするインサイドセールスと、提案をするフィールドセールスに分けた営業プロセスにしたいと思っていました。
営業プロセスを分けたときに、関係者と情報を共有できるようにするには営業ログを記録できるSFA(営業支援ツール)が便利です。「Kairos3」にはSFAオプションがあるため、営業プロセスの分割を推進しやすいと思いました。
[KM]神谷さまのお仕事について教えてください。
わたしはマーケティング担当として当社に入りました。今は、マーケティングとインサイドセールスの業務も一人でおこなっています。
マーケティング業務は、新規のお客さまからのお問い合わせを増やすことを目的として活動しています。具体的には、お客さまのお役に立てるようなWebコンテンツやLP(ランディングページ)の作成と運営、パンフレットなど各種資料の作成とダウンロード用フォームの作成、メルマガの配信などです。
[KM]幅広く業務を担当されていますね。メルマガはどのような運用ですか?
メルマガは月一回配信しています。毎月テーマを設けて、テーマに沿った内容をお送りしています。テーマを詳しく解説したLPもあらかじめ用意しています。メルマガからLPを閲覧いただけるように、メルマガ本文にLPのURLを掲載しています。
この前「抗菌めっき」をテーマにしたメルマガを配信したところ「抗菌めっき」のLPへのアクセスが増え、お問い合わせも多くいただきました。メルマガは効果があるな、と感じています。
[KM]インサイドセールスは、どのようなフローで業務をおこなっていますか。
インサイドセールスの活動の目的は、パンフレットをダウンロードしていただいたお客さまやお問い合わせいただいたお客さまのうち、商談につながるお客さまを見極めることです。
具体的には、お客さまのWeb閲覧履歴を「Kairos3」で確認し、お客さまの課題を推測します。課題解決につながりそうな資料やトークネタを用意して電話します。お客さまの状況やお悩みをヒアリングして、その場で回答できるものは回答します。必要に応じてサンプル品や見積もりを送付します。
[KM]お電話でお客さまにヒアリングをされているのですね。その後は営業にお客さま情報を渡すのでしょうか。
ヒアリング内容はすべてSFAに記入します。アポがとれたお客さまや、訪問が必要なお客さまは、営業に引き渡します。営業は、SFAを見ればお客さまの状況やおこなうべきアクションがわかるようになっています。
基本的には初動対応を一人でおこなっているので、業務がたてこむこともあります。対応忘れを防ぐため、案件ごとにSFAのToDo項目にやるべきことを入力しています。毎日「Kairos3」にログインし、やるべきことの優先順位を確認しながら業務を進めています。
[KM]今までにインサイドセールスのご経験はあったのですか?
経験ありませんでした。当社でインサイドセールスをやることになり、最初は「お客さまにお電話してご迷惑だったらどうしよう」と少し不安でした。でも実際に電話してみると、お客さまは丁寧にご状況を教えてくれます。お客さまのお困りごとを解決できたり、必要な対応ができたりすると、わたしもやりがいを感じます。今はお客さまとお話しできるインサイドセールスの仕事を、とても楽しく感じています。
インサイドセールスを経験して、社内のみんなとチームで働いていることを実感します。わたしは子育てもあり時短勤務をしています。今は週に約3回、在宅勤務をしています。保育園の休園協力要請があった時期は、毎日在宅勤務をしていました。限られた時間で、みんなと離れた場所で働きながらアウトプットの精度を高めるためにもSFAは欠かせません。
[KM]「Kairos3」を導入して効果はありましたか?
あらかじめWebサイトにパンフレットのダウンロードフォームの設置や、LPの公開、メルマガ運営など、デジタルを活用したお客さまへ情報を提供する仕組みができていることもあり、コロナ禍でも新規のお問い合わせは倍増しています。
ノウハウの共有については、今まで製造部門ではできていたのですが、営業部門ではできていませんでした。共有する仕組みがなかったためです。SFAにお客さまの状況や対応内容、進捗を記録するようになって、業務を可視化できるようになりました。業務の可視化は、社内でのノウハウ共有につながります。
[KM]SFAが営業の属人化の解消につながっているのですね。
はい。ツールで情報共有ができると、働く場所の制約も軽減されることがわかりました。
在宅でできる仕事は在宅でできるようになり、働き方も多様な対応ができるようになってきました。
[KM]製造業での働き方改革に貢献できているようでしたら幸いです。最後にひとことお願いします。
デジタルシフトが進むほど、人の印象で製品・会社が差別化されるのではないでしょうか。当社全員が、改めてお客さまの立場で考え対応していかなければなりません。デジタル・アナログ両方を強化して、お客さまに選ばれる企業になりたいと思っています。
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